「中性脂肪」は「肥満」とセットで考えられがちですが、実は痩せていても中性脂肪が高い人はいると言う事をご存じですか?
痩せていると、なかなか中性脂肪値に関心を持つ事がなく、健康診断の時の血液検査で、医師に指摘されてびっくりした!と言うケースが非常に多いんです。
そこで、今回は痩せているのに中性脂肪が高い原因について一緒に見ていきましょう!
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そもそも中性脂肪って何?
まずは「中性脂肪って何?」と今さら聞けないけど知りたい!と言う方のために、簡単に中性脂肪についてご説明させていただきますね。
中性脂肪とは、人間の体を動かすエネルギー源となる物質での事で、別名「トリグリセリド(トリアシルグリセロール)」と呼ばれています。
中性脂肪は「脂肪」と言う字がついていることで、ネガティブなイメージを持たれている方も少なくないと思いますが、実は私たちの身体にとってなくてはならない存在でもあるんです。
中性脂肪の重要な役割としては
①内臓を衝撃から守る
皮下や内臓の周りに脂肪として留まる事で、内臓を外部からの衝撃から守ります。
②体温を一定に保つ
体の表面に脂肪として蓄積することで、体温が必要以上に発散されてしまうのを防止して、体温を一手に保つという働きをします。
③身体を動かすエネルギー源
エネルギー減として最初に使われるのは血中の糖分ですが、これがなくなると使われるのが「中性脂肪」なんです。
身体にとって必要不可欠な存在である「中性脂肪」ですが、やはり高くなりすぎると、脂質異常症(高脂血症)、動脈硬化、動脈硬化が引き起こす脳卒中などの様々な病気への罹患率が高まるので、注意が必要です。
痩せているのに、中性脂肪が高い原因は?
それでは、痩せているにも関わらず、中性脂肪が高くなってしまう原因を一緒に見ていきましょう。
考えられる原因は以下の4つです。
①食事内容
食事内容が偏っていて、脂質の摂取が多くなると中性脂肪はどうしても高くなりますが、意外と知られていない落とし穴とも言える理由があります。
それは「炭水化物の過剰摂取」です。
よく「中性脂肪は脂っこいものばかり食べているから高くなる」と思いがちですが、そうとも言い切れないんんですね。むしろ、中性脂肪を高めている最大の原因は炭水化物をはじめとする「脂質」の場合が非常に多いんです。
ご飯やパンなどに含まれる糖質は、唾液や胃や小腸などの働きによってブドウ糖などに分解されます。このブドウ糖は、エネルギー源としてなくてはならないものですが、余った分は肝臓に運ばれていきます。
ブドウ糖が肝臓に運ばれ中性脂肪に変わってしまうんです。
また、私たちの身体は、糖質を摂取すると血糖値が上がり、それを抑えるためにインスリンというホルモンを出すように出来ています。
このインスリンには「脂肪を溜め込む」と言う作用があり、糖質過多な食生活を送っている人は脂肪を溜め込みやすいと言うわけなんですね。
ですから、食事の中心が炭水化物になっている人は、見た目痩せていても実は中性脂肪が高いと言う場合があるんです。
②遺伝
中性脂肪は遺伝によって高くなってしまう事があります。食生活に偏りはない場合は、医師に一度相談してみると良いかもしれません。
③何らかの病気
甲状腺や、すい臓関係の病気になると、中性脂肪が高くなる事があります。自分の健康状態と照らし合わせ、一度医師の診断を仰ぐようにした方が良いかもしれませんね。
④内臓脂肪型肥満
痩せているのに中性脂肪が高い、そんな人は「内臓脂肪型肥満」の可能性もあります。「
いわゆる「隠れ肥満」といわれるケースですね。
内臓脂肪とは、腸などの内臓の周辺につく脂肪の事です。
この内臓脂肪が増えてくるとウエスト周辺がポッコリ出てきます。30歳以上の中年時男性に多く見られると言われていますが、最近は食生活の欧米化などにより、若い人にも見られるようになってきました。
内臓脂肪は、食習慣の改善や運動の効果が比較的出やすいので、これが原因の方はぜひ内臓脂肪を減らす努力をしましょう。
定期的に中性脂肪は測定しよう!
中性脂肪はその値が高くなっても、自覚症状がありません。しかも痩せている方の場合は、体型に現れないので乱れた食生活などをしていても中性脂肪の上昇を疑いません。
それでも太らないのだから、健康だ!と思い込んでしまうケースが非常に多いので注意が必要です。
特に40代以降は、中性脂肪を貯め込みやすくなるので、1年に1度は、血液検査をして中性脂肪値を知るようにしてくださいね。
いかがでしたか?痩せているのに中性脂肪が高くなる原因は、一つではなく複数なんですね。
痩せているとなかなか気がつかない事が多いですが、放置しておくと重篤な病気を発症してしまう可能性もあるので、ぜひ定期診断をするのを習慣にしましょう。
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