今年のプロ野球、クライマックスシリーズも第2ステージの出場チームがいよいよ決まり、盛り上がってますね。今年は色々な記録が達成された年でもありました。
中日・谷繁選手がノムさんこと野村克也さんの持つ歴代最多出場記録を3021試合まで更新したり、同じく中日・和田選手や楽天・松井選手が2000本安打を達成したり、記録ラッシュでした。
中でも特筆すべき記録は、西武・秋山翔呉選手が阪神・マートン選手の持っていた、シーズン最多安打記録を更新したことでしょう。早速、ドラマチックな達成までの経緯や秋山選手が打撃好調な秘訣をご紹介したいと思います。
秋山翔吾の安打記録について
出典: moneytalk.tokyo/
今年の秋山選手はソフトバンク・柳田選手と熾烈な首位打者争いを続けてきました。その結果もあってか、9月13日のロッテ戦で史上6人目となるシーズン200安打を達成しました。これは1994年に初めてシーズン200安打を達成したイチロー選手に次ぐスピード記録でした。
しかし、その後はプレッシャーもあってかペースダウン。目指すマートン選手の持つ日本記録は214本ですが、残り2試合を残して209安打と2試合続けて猛打賞を打たなければ追い越せない状況に陥りました。これはさすがに無理かな、と筆者も思っていました。
しかしなんと!9月30日のオリックス戦で7打数5安打2四球と全打席出塁の快挙を達成、マートン選手の記録に並んだのです。7打数も回ってくる試合など年に何回もありません。しかも翌日のシーズン最終戦で2安打を放ち、216安打の日本新記録を達成しました。見事!としかいいようがありませんね。
秋山選手はシーズン終盤、残り11試合の時点で自分のバッティング哲学をこう語っています。
「チームの勝利がすべて。(最多安打は)まだ数があるし、ヒットだけでなく、チームのために出塁することにこだわりたい。」
出典:thepage.jp/
当時はロッテとのクライマックスシリーズ出場をかけた熱い戦いの真っ最中。阪神DCの掛布雅之氏は同じ時期にこう語っていました。
「最多安打を達成できるかどうかは、五分五分でしょう。秋山を見ていると、記録を意識したような個人プレーを感じない。CS争いの緊張感の中で、試合をしていることがかえってプラスに働くのではないか」
出典:thepage.jp/
チームは残念ながらクライマックスシリーズ出場を逃しましたが、秋山選手がフォアザチームで頑張ってきたからこそ、神様が「最多安打」というご褒美をくれたのではないかと思います。
打撃好調の秘訣や理由
秋山選手の今年の活躍は昨年の不振がスタートとなっています。入団2年目の2012年からレギュラーとして活躍してきた秋山選手ですが、昨年度は肘の怪我の影響もあり、131試合に出場しながら、打率.259、本塁打4本と不振に苦しみました。
そこで、今は亡き父と二人三脚で築き上げてきた打撃フォームの改造に取り組んだのです。ポイントは、上段から「点」で打っていたフォームをトップの位置を下げることで「線」でとらえられるようにすること。こちらの画像をご覧ください。
昨年は青のラインのあたりにあったグリップを今年は赤のラインまで下げています。そしてバットを寝かせています。
こちらは投手側からみたフォームです。去年と今年を見比べていただくと、その違いが良く分かると思います。このフォーム改造により、インパクトまでの距離が短くなり、ボールを呼び込んで打てるようになりました。
結果として、レフト方向への安打数が昨季の36本から73本と、自身も「突然変異」と話すほど急増したのです。ユニクロの柳井社長の名言「成功の陰には必ず失敗がある」を体現していると思いませんか。
まとめ
我々素人には少しの違いに見えるかもしれませんが、野球選手にとってフォーム改造は非常に勇気がいることです。昨年の失敗を生かしてフォーム改造をし「覚醒」した秋山選手、これから首位打者争いの常連となること間違いなしです!
この記事へのコメントはありません。