土曜日の夜7:00からやるTBSのテレビ番組『炎の体育会TV』で、松岡修造がテニス合宿をやってました。緊張してしまう、イライラしてしまう子供たちの心を3日間で変えるというもの。「本当に短期間で変われるものなの?」と思ってましたけど、徐々に変わっていく子供たちを見てたら本当に変わっていくんですよ。
松岡修造さんの指導法がさすがだなと思って書きたくなりました。ちなみに第一弾の内容となります。
見出し
テニス合宿の内容
まず小学生の6人の子供たちが「心を変えたい」と松岡修造さんのテニス合宿に応募。心を変えたい理由は「緊張してしまう」や「イライラしてしまう」、「すぐ諦めてしまう」から。
そんな心を3日間のテニス合宿で変えます。
最初の試練:赤いターゲットエリアに1回でボールを入れろ!
で、テニス経験が短い子で半年、長い子で5年ほど。そんな彼らにいきなり難関な試練が出されたのです。
テニスコートの特定の部分へボールを入れろというもの。
赤い部分がターゲットエリアですね。
条件は、「1回だけで入れること。もし入らなかったら帰ってもらう。」
え?最初の試練でそんなに厳しいの・・・?修造さんは明らかに真剣な顔つきで、冗談を言ってるんじゃない本気で言ってるだと言わんばかりに子供たちを見つめてました。相当なプレッシャーかけてましたね。
で、1人目が挑戦。
緊張した空気が漂う中、修造さんがボールを打って子供がそれを打ち返します。高く舞い上がったボールが落下して地面に近づきますがターゲットエリアに入りませんでした。
修造さんはコートの外に行くように指で指示。もちろん2回目をやらせてもらえるはずもなく終了です。
続いて2人目。
同じく失敗。
ここで修造さんが「どんな思いで応募してきたんですか!?終わっちゃうぞこれ」と奮い立たせます。
しかし、3人目の挑戦も失敗。4人目も、5人目も、6人目も全員失敗です。
(;゚д゚)ァ…. 終わってしまった。
もう1日目で帰らせちゃうの?と思った矢先、修造さんが子供たちに「どんな気持ちになった?」と質問したんですね。すると「やる前は緊張して、終わってからはすごく悔しかった」と答えてました。
修造さんは「逃げたい」「怖い」という気持ちがテニスの勝負だと言います。本気になった時の勝負の緊張感を一番伝えたかったのです。
そして「3日間で必ずターゲット入れるテクニックと心を身に付けるぞ!」と彼らしく熱い気持ちで話します。
おお!最初の試練は3日後の最終目標にして合宿を続行することになった、と。叩きのめされた子供たちを自ら這い上がらせようとしてるわけですね。
修造さん凄すぎ。子供相手に一切手を抜かないんだもの。これだけで子供たちの心はすぐに変わり始めてるなと感じました。
で、3日後の試練に向けて練習がスタートします。
ラケットの使い方を変える!
練習を始める前に、子供たちは修造さんが打つボールを打ち返して実力をチェックされました。当然ながら上手いと言えるはずもなく、打ち返したボールはあらぬ方向に飛んで行っちゃってました。
まずはラケットの使い方を変えます。ここで修造さんの面白い指導法がでてくるんですよ(笑)。
「ラケットの使い方を覚えたければギンギラギンにさりげなくやってみろ」と。
「ギンギラギンにさりげなく」っていうのはマッチこと近藤真彦の曲。昭和生まれの人なら分かるでしょうが、子供たちには「?」が頭上に浮かびます(笑)。まぁ曲は全く関係ないので問題ありません。
じゃあ、テニスと何が関係しているんだろうと考えていると、修造さんはシールを皆に配りました。
それは銀色でギンギラに輝く丸いシール。テニスラケットの「グリップエンドに”さりげなく”貼ってごらん」と、さりげなくを強調して言いました。
グリップエンドってこの部分ですね。
さらに「マッチ(近藤真彦)はその為に作った」と真面目な顔で言ってくるんですよ。先ほどの緊張感があった後なので、笑っていいのか困るんですが(笑)。
で、これが何の役に立つのか?
修造さんはギンギラのシールを相手に見せるようにしろと言います。
ギンギラのシールを貼ったグリップエンドを相手に見せると、テイクバック(打つ前にラケットを引く動作)を小さくできるのです。振り終わった後も相手に見せます。すると、力強い打球になるんですね。
練習を始める時に実力チェックしましたよね。その時の子供たちはボールが来てから構えてたのでテイクバックが大きかったです。が、改善後は素早くラケットが振れるようになりました。
次は掛け声。
ここでまたもや修造さん独自の指導スタイルが炸裂!
ボールを打つ時に「やられたら倍返しだ!」と言わせて、倍返し打法を練習させてました(笑)。大ヒットドラマ「半沢直樹」を知ってる人も、知らない人も一度は聞いたことがある言葉。
「やられたら」はボールが自分に向かってくる時に言い、「倍返しだ!」は打つ時に叫ぶんですね。何故「倍返し」と言わせたのかというと、エース(ボールに触れさせないで点を取る)ために悔しい気持ちをぶつけるためです。
で、ここまでの練習の成果を試す時が来ました。
実践
試練は「芸人の響・長友を相手にしてエースを取ること」
▼響・長友
早速スタート。
修造さんが打ったボールを子供が「やられたら・・・倍返した!」と叫んで響・長友からエースを次々に取って行きました!
実力チェック時とは比べ物にならないくらい速い球が打てるようになりました。すごい成長っぷりですよ!
しかし練習はまだまだ続きます。
ターゲット当て
次の練習は「相手コートに置かれた高さ50cmの的を当てる」こと。
ボールと比較すると小ささは一目瞭然!
修造さんがお手本で打って見せると、一発で当ててました。さすがプロ!しかし子供たちはそうはいきません。全然違うところにボールがいってかすりもしません。
当てるためにどうすれば良いのか?
まず、フラフープがネットの手前に置かれました。高さはネットよりも高い位置にあります。サーカスでライオンが炎のリングをくぐるシーンを連想させられちゃいます。
修造さん曰く、プロは遠いターゲットを狙えないから、途中の中間のモノをターゲットとして捉えるんだそう。
プロって遠い所狙ってるのかと思ってたら違ったんですねぇ。驚きの発見ですよ。
早速練習をすると精度が一気に上がってきました。すぐに1人目の達成者が!続いて2人目、3人目と続々現れてきました。
簡単すぎやしないか?と思ってると、次なる試練が与えられたのです。
「ターゲットが先ほどの半分に小さくなって、フラフープなしで狙え」いうもの。
一気にハードルが上がりましたよ!
ここで修造さんが「ターゲットに当たった人は次の段階に行けます。当てれなかった方は永遠に打ってもらいます。」と厳しい言葉を発しました。
それでも子供たちは積極的に「やる!」と言ったのです。あ、修造さんも参加して一緒にやるようです。
試練を始めると先ほどと違ってなかなか当たりません。修造さんも外しちゃってます。っちょ、どうしたんですか(笑)。世界のプロでさえ難しいってことでしょうねぇ。
で、練習を繰り返していくうちに慣れてきたようで、まず1人目の達成者が出ましたよ!修造さんではなくて小学3年生が!修造さん落ち込んでました(笑)。
んで、続いて2人目の達成者が!これも子供です。修造さん大丈夫か?(笑)
続いて3人目・・・とうとう5人目まで子供が達成してしまいました。残るは修造さんと1人の女の子。修造さん手加減してる?いやいやそれは無いよねぇ。
で、1対1の勝負が始まります。何度か打ちますが2人とも当たりません。が、とうとう6人目の達成者が!それは修造さんです。彼はうれしさのあまり飛び跳ねて走り回ってました。子供相手にはしゃぎすぎでしょって思いましたよ(笑)。
それを見た女の子は悔しい気持ちから泣いてしまうんですね。
これにはちゃんと目的があったのです。
「これで終わりますか?」と問いかけると「いいえ、当てます」と女の子が答えました。彼女はすぐ諦めてしまう気持ちを治したいと応募してきたのです。諦めちゃっては合宿に参加した意味がないですよね。
で、ターゲット当てを1人で再開。皆に応援される仲頑張って打ち続けます。何度も外しますが、彼女は諦めない気持ちで打ち続け、ようやく当てることができました!
3日目、最後の試練
とうとう最後の日がやってきましたよ。赤いターゲットエリアに入れる試練です。
条件は「全員が6人連続でターゲットに入れる」です。もちろん1回だけで。
プレッシャーかけてきましたね。しかし、練習してきたことをやればちゃんとターゲットエリアに狙えるはずです。
早速最後の試練がスタート!。
まず1人目、初日の緊張した顔つきとは違って、今度は狙うぞ!っていう良い顔になってました。
修造さんがボールを打ちます。バウンドしてきたボールを、練習でやったことを思い出してすぐにラケットを構えて打ち返します。高く上がったボールは落下していき・・・なんと赤いターゲットエリアに入りました!
初日とは比べ物にならないくらい上手くなってますよ!
で、2人目。この子も成功!
続々とあっさり成功していき、やがて最後の6人目に。
6人目の子は小学6年生の男の子で合宿メンバーの最年長なんですね。最後が一番プレッシャーがかかります。しかし彼は順番を決める時に自ら最後を選択していたのです。この選択は、合宿に参加していなかったらできなかったことでしょうね。
気になる最後の試練の結果は・・・見事成功!一瞬入ってないように見えましたが、ぎりぎり入ってました!プレッシャーに打ち勝ったのです!
この短期間で強い心になれるんだなと感心しましたよ。
ようやくこれで特訓は終了。かと思いきやまだ終わりませんでした。
本当の最後の試練
本当の目的は心を変えること。ターゲットエリアに入れることではありません。
最後は何をするのかというと、子供たちの親に観にきてもらいます。
修造さんと2ポイント先取で直接対戦したり、ボールをコートの両端に投げられたものをミスなく打ち返すなど、一人一人個別に違う試練が行われました。
親がいるにも関わらず修造さんは簡単に合格させてくれません。むしろ容赦しません。
なかなか合格できない子供たちは泣き出してしまいます。修造さんに「親に頑張ったねって言ってもらうか?」とか逃げ道を作ってくれますが、子供たちの答えは当然NOです。
泣きながらも試練を再開した子供たちはやがて合格できるようになりました。最後の試練を達成した子は親の元へ駆け寄って抱き合いました。
この3日間はとても濃い内容の合宿でしたね。おそらく子供たちは生きてきた人生で一番感情が爆発したんじゃないかと思います。それくらい修造さんの指導は厳しかったです。
さいごに
松岡修造さんは子供相手に一切手を抜きません。大人と同じように一人の人間として接するんですよね。優しい言葉は投げかけませんし、甘やかすことをしません。できないなら出来るまでやらせる。そのためだったら厳しい言葉を容赦なく投げかけます。
それで子供たちは気持ちが追い詰められて、悔しい気持ちが溜まっていくんですね。泣き出してしまう子だっていますが、修造さんは「出来るはずだ!」気持ちを奮い立たせます。悔しい気持ちから逃げ出さないで向き合わせるんですよね。それに打ち勝つと心を変えていけるのです。
やっぱり修造さんの指導法は凄いですね。テニス未経験な自分も教えてもらいたくなりましたよ。
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